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活動報告

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京都セット活用報告 横濱美帆

アフリカの南東部に位置するマラウイという国で、公衆衛生活動をしております、2018年度1次隊の横濱美帆と申します。

出国の際には、京都府、JICAボランティア応援団の皆様より京都セットと温かいご声援を頂き、本当にありがとうございました。その当時は、私にとって今まで未知の世界だったアフリカの僻地に住み活動するということに、ドキドキと不安でいっぱいだったのを覚えています。素敵なちりめん風呂敷にずっしりと詰まった京都セットとともにマラウイに来て早一年半が経ちますが、特に生活に慣れるまで苦労した初めの頃の癒しになり、また、現地の人との交流時にとても役立っています。現地で活用させて頂いている様子を、一部にはなりますが、ご報告します。

まず、簡単に任国マラウイがどんな国か紹介します。マラウイは、一人当たりGNIが320ドルと言われる世界最貧国のひとつです。国土の20%以上を占めるマラウイ湖、そして、陽気で親しみやすい国民性から別名「Warm Heart of Africa」とも呼ばれていることで有名です。私は、そのマラウイの北西部に位置するカフクレという僻地の村に住んでいます。村のほとんどの家に電気はなく、また、水道は通っていません。私は、その村のヘルスセンターで、主に乳幼児健診業務の改善活動と住民への健康教育を行っています。

カフクレに、私は初代隊員として派遣され、ほぼ全ての村人が日本人を見るのが初めてという状況だったので、正直、初めは様々な偏見や好奇の目にさらされる場面も多く、受け入れてもらえるまでに大変苦労しました。そんな中、私自身が現地の生活や文化を学ぶと共に、頂いた京都セットを用いて、自身の生まれ育った日本や京都の文化を紹介することで、関係を築いていけるきっかけとなりました。特に、小学校等で健康教育をするときは、初めのアイスブレイクに、日本の食文化を伝えたり、お箸体験ゲームをしたりすることで、とても盛り上がり、その後の健康教育でも活発に参加してくれる生徒が多くなりました。また、村には、テレビや新聞、本等の外からの情報もほとんど入ってきませんので、カフクレ以外の世界を見たことも聞いたこともない子ども達ばかりでしたが、今では、「日本に行ってみたい」、「自分たちと全然違う文化があることを初めて知った」と話してくれる子ども達が沢山います。その時の様子をいくつか写真と動画にて、ご紹介します。

くろちく様のちりめん風呂敷、福寿園様の御抹茶、やまなか雅陶様の御抹茶碗と御茶筅

村のセカンダリースクール(中学3年生から高校3年生までが通う学校)で、マラリア予防の授業をした時に、日本文化紹介も行いました。この写真は、御抹茶の紹介をした時のものです。実際に御抹茶を点てることまでは出来ませんでしたが、御抹茶の香りを嗅いでもらったり、お茶筅や御抹茶碗を見せたりすると、生徒はとても興味津々の様子でした。

こちらは、日本文化紹介時の写真です。

京 三木竹様の京銘竹 白竹の箸

マラウイでは、トウモロコシの粉を練ってつくるシマと呼ばれる伝統料理を手で食べるのが一般的で、お箸を見たことがないという人も多くいます。お箸体験では、やってみたい!という生徒が沢山いました。実際に持って使ってみてもらうと、「難しい!」という子もいれば、「出来たよ!」とすんなり使いこなす子もいました。

京の焼肉処 弘様の焼肉のタレ 辛口

こちらが伝統料理のシマとそのおかずです。味付けは、油と塩のみですが、結構おいしいです。私は、ほとんど毎日このシマを食べて生活していますが、日本の味が恋しくなることも頻繁にあります。村では、食べ物の種類が限られており、お肉もなかなか手に入りませんので、贅沢に、頂いた焼肉のタレをこのシマのおかずにかけたりして、少しでも日本の味を味わって癒されていました。(ちなみに、現地の料理と焼肉のタレはよく合います!)

現地での協力隊活動は、現地や日本の沢山の方から支えられていると日々感じます。皆様からの温かいお気持ちに、心より感謝を申し上げます。残り半年の任期になりますが、最後まで一日一日を大切にし、現地の人とともに人々の健康を支える活動を続けていきたいと思います。